「ER 犬に噛まれる騒動」  ナバホ体験記

私がまだナバホに通い始めて間もない頃、ナバホ家族全員の目の前で犬に噛まれたことがある。

犬に噛まれるなんて想像もしていなかった。でもこちらのミスなのである。私はナバホ犬をあなどっていた。全くの無防備だったのだ。

噛まれたのは左のふくらはぎ。数日すれば徐々によくなるだろうと事態を甘く見ていた。しかし容態は良くなるどころか悪化していく一方。微熱が続き、頭痛、吐き気に悩まされた。それでもまだ楽観的に考えていた。

事件から3週間ほどたったある日。ナバホグランパがやたらと 「手遅れになる前に、病院へ行け」 と言い続けた。その時まで気が付かなかったのだが、左右のふくらはぎの太さがまるで違っていた。 さすがに私も怖くなって、病院へ行くことに決めた。

その時点で夕方5時を回っていた。近くの病院で順番を待ってみるが、一向に名前を呼んでもらえない。数時間待った後受け付けに問い合わせると、大きな交通事故が発生したので医者、看護婦共、てんやわんやの大騒ぎ、一般患者は後回しにしている、とのこと。

そこで保留地外の大病院へ行くことにした。病院に着いたのは夜11時を回ってしまったので、ER患者となってしまった。

最初に簡単な検査があって、それから患者の権利についての法律上の説明と書類にサイン。事務手続きが終わってからようやく診断。

白人男性の医者がこう言った。「ずっと病院での治療をしなかったら、足を切断することになってたぞ。」単なる脅しだったのかもしれないが、医者の表情は至ってマジメだった。

2週間薬を飲み続け、ようやく私のふくらはぎは通常の太さに戻った。あのときグランパが病院に行けって言ってくれなかったら、大変なことになってたかも・・・。

グランパ、ありがとう!!