マークと約束をしたので、ナバホ両親の家に会いにいった。
私はナバホ両親の助言を聞き入れずに勝手な行動をしていたので、ナバホ両親の家に行くのは勇気が必要だった。マークがあんな風に私を駆り立ててくれなかったら、きっと来られなかったと思う。
私の心配をよそに、ナバホ両親はいつものように暖かかった。 家の前で車を降りた瞬間に、ナバホ父は私をきつく抱きしめてくれた。
「俺達のワンパク娘は元気にしていたか?」
”naughty daughter”(ワンパク娘) と呼ばれてムッとしたが、確かにそうだ。 私は両親の言いつけを聞かない強情な娘だった。 両親は私が彼らと暮らす事を最初から反対していたのだから・・・。
「君は誰の事でも簡単に信用しすぎる。 もっと注意を向けなさい。 もっと気を付けなさい」
彼らにこの言葉を何度言われたことか……。 それでも私は両親の言いつけを聞かず、家を飛び出して行ったのだ。
マークに話したのと同じことをナバホ両親に話した。 ナバホ父はこう言った。
「今からすぐに彼らの家に戻って、荷物を全部取ってきなさい。 彼らには何も言う必要はない。 両親の所に引っ越すんだとだけ言いなさい。 君がどんな弁明をしたところで、彼らには通じないだろう。 彼らは君にウィッチクラフトをかけてくるかもしれない。 いや、もうかけているんだろうな。 家に戻ってきたら、しばらく君は外出禁止だ」
両親はそのまま私と一緒に、彼らの家の前までついてきてくれた。
彼らの敷地の前で、私は車を降りた。
母は私のことをとても心配していて、「この子1人じゃ危ないから一緒に行こう」 と父に言ってくれたが、父が母を制した。 そして父は、私の目を見て、こう言った。
「ここから先は、君1人で行きなさい。 君はここから修羅場をくぐり抜けてこなければならない。 君なら乗り越えられる。 俺は君の強さを信じている。 彼らは君を引き止めるために、いろいろ言ってくるだろうが、何を言われても何をされても、必ず俺達の家に戻って来い。 絶対忘れるな。 俺達が君の両親だ。 君には俺達がついている。 君は1人ぼっちではないんだ」
寒気がした。
これから何が起こるっていうんだろう? 修羅場? まさか? 怖いけど、自分で蒔いた種なんだ。 自分で決着をつけなきゃ・・・。
