「スタッフとの最終打ち合わせ」  ナバホ体験記

本番当日の前夜9時から、テレビ局のスタッフとの最終打ち合わせがあった。 この日ナバホ父は仕事で疲れ切っていたので、私だけが参加。

スタッフから台本をいただき、時間的な変更を告げられた。 スウェットと食事の時間を逆にして欲しいとのこと。 そうなると、私達家族が立 てた詳細なスケジュールを再度変更しなければいけない。 それにナバホ父からの要望を伝えなければならなかった。それはスウェットロッジ内での通訳を私にやらせること。

ナバホ父からそれを言われた時は、本当にビックリした。 テレビ局側にはプロの通訳さんがいるし、私なんかにそんな大役が務まるのだろうか?

ナバホ父はこう言った。

「今回のスウェットは、本当のセレモニーとして行なう。 テレビ撮影用に嘘のセレモニーは出来ない。 間違った情報を伝えたくないからだ。 君は俺の娘だ。 長年俺の元でナバホの伝統やセレモニーを学んできた。 君に通訳をやってもらいたい。 テレビ局側がこの要望を断ったら、俺もこの件は降りる」

「これは俺だけの意思じゃない。 ホーリーピープルの意思なんだ。 俺はそれを感じる。 君がやらなきゃいけない。 自信を持てよ。 ホーリーピープルがきっと助けてくれるから」

ホーリーピープルとは、ナバホを守ってくれているスピリットであり、神的な存在のことだ。

打ち合わせの場でスタッフさんたちにナバホ父の要望を伝えると、あっさりと承諾してくれた。

スタッフとの打ち合わせが終わって家に帰りついたのは夜中2時を過ぎていた。

再度台本に目を通し、段取りやナバホ父の台詞を頭の中に叩き込む。

どうか今回の番組で、日本の視聴者の方々に良いメッセージを送ることが出来ますように・・・。