「ナバホ・コード・トーカー」 を描いた映画 『ウインドトーカーズ』 が2001年アメリカで製作された。 監督はジョン・ウーで、主演はニコラス・ケイジである。 映画の舞台は1943年のサイパン島。 ナバホ語を暗号に起用したアメリカ軍は、ナバホ兵をコードトーカー (暗号通信兵) として戦地に送った。 彼らには常に護衛兵が付き添っていたのだが、護衛というのは表向きの任務だった。 通信兵が日本軍に捕まった場合は通信兵を殺してでも暗号を守る、という極秘任務があったのである。 この映画は、米海兵隊員と暗号通信兵の友情と葛藤を描いている。
実はこの映画、ナバホの中では評価が低い。ハリウッド映画であるという性質上、当然ながら主役のニコラス・ケイジにスポットが当たっているし、ナバホの伝統やセレモニーも正しく伝えられていないからというのが理由である。
ナバホの友人がこの映画についていくつか話していたが、私が覚えている理由は以下の通り。
1) ナバホ役で登場するアダム・ビーチは、カナダのソルトー族出身でナバホではない。 彼はこの映画の為に、ナバホ語の発音を訓練したのだそうだが、ナバホの人が聞くと 「ナバホ以外の人の発音」 だとすぐに分かるのだそうだ。
2) 映画エンディングシーンで、ナバホ兵が海軍兵のドッグタグをナバホバスケットの中で洗うシーンがある。 ナバホの人々はこんなことをしない。 ナバホでは亡くなった人の名前を口に出して言うのはタブーとされているし、このような習慣は無い。
3)クラン制度の間違った使い方。 ナバホではクラン制度というのがある。 アダム・ビーチ扮するベンが自己紹介をする際に、「俺はビターウォータークラン。父方のクランは、タワリングハウスクランだ」 という台詞がある。 母親がビターウォータークランで、父親がタワリングハウスクランだと言っているのだが、ナバホのクラン制度ではこの二つのクラン同士は結婚出来ないことになっている。 (注:この部分はナバホの友人からの聞きかじりです。 クラン制度についてはまだまだ勉強中です)
