ピースメイキングとは、知識を正しく使って問題を解決する理論のこと。
その際に使用する知識とは、ナバホの概念・理論で、これはナバホ神話に基づいている。
これらの教えの中には、自分、家族、周囲の人、世界、宇宙とのつながりを意識し、大切にすることが含まれる。
人間はみな、ユニークな存在だ。だからこそ、存在価値があり、貴重なのだ。誰もが特別なギフトを与えられてこの世に誕生する。その自分にしかない特別なギフトを、正しい場所で正しい人達と分かち合っていかなければならない。
ピースメイキングで大切なことは、まずすべての人を同じステージに立たせること。互いに批判したり、どの考えが正しくてどの考えが間違っていると決め付けることはできない。批判や決め付けは、とても危険なことだ。
例えば、宗教について。キリスト教、ナバホの伝統的な教え、ネイティブアメリカンチャーチ信仰、仏教、イスラム教などなど、名称や方法は異なるが、本質的に目指しているゴールは同じなのだ。考え方、行き方が異なる。ただ、それだけのこと。ピースメイキングを通して、そのことを理解していく。
ナバホでは K’e という言葉がある。すべてのものはつながっている (ワンネス)と言う考え方である。
人はそれぞれ、学びや理解のタイミングが異なる。誰かを無理に導くことはできないが、知識を共有することはできる。それがピースメイキングの目的である。
すべてのものには二面性がある。両方がちょうど良いバランスをとることが大切。ネガティブな力に出会ったときは、恐れてはいけない。その力を知り、影響力を知り、限界を知り、克服方法(バランスをとること)を知ること。そうすれば、ネガティブな力をコントロールし、制することができる。
私達の成長過程には、黒、青、黄、白という4つの段階を経ていく。
黒 - 物事を開始した直後には、いろんな要素によって混乱が生じる。試行錯誤を繰り返しながら、方向性を見極める。
青 -失敗をたくさん経験する。例えば、幼い子供に「ストーブに近づくな」と注意しても、子供は実際にストーブに触って熱さ(痛さ)を経験するまでは、どうしてストーブに近づいてはいけないのかという本当の理由が分からない。一旦経験すると、失敗から学習するのでもう二度とストーブに近づいたりはしない。人生の中で、失敗を経験するのも良いことだ。失敗を客観的に観察し、分析し、次のステップのための材料として使えば良い。
黄 - 自分1人で考えていては、どうしても主観的になりがちになる。そこで、他の人に相談して、客観的な意見を仰ぐのも一つの手になる。話し合いによって、方向性がくっきりと見えるようになることがある。
白 - これまで積み上げてきたもの、蒔いてきた種が実り、収穫の時期を迎える。素直に心を開いて、もらう、受け取る楽しみを満喫する。
この4つの段階の中で、時には黒と青を行ったり来たりすることがある。しかし、そういった失敗や試行錯誤を繰り返したからダメだということではなく、苦労を重ねた分、最後の収穫が大きいと考える。
白の段階まで行けば、その4つの段階で得た経験・知識を元に、さらに上級の物事に挑戦する。そうやって、知識のレベルを上げながら、人生の輪(段階)はずっと続いていく。
私達の祖先は、彼ら自身の人生における経験や知識を、歌や祈り、神話の中に盛り込んでくれている。迷ったときは一旦立ち止まって、祖先の残してくれた道案内を熟考してみるのも良いだろう。これらは私達の人生の旅における貴重なデータベースなのだ。
経験は知識になる。経験は自分のことを助けてくれる。また、その経験を他人と共有することによって、他人の成長を助けてあげることもできる。
アメリカの裁判制度は、白黒をはっきりつける、勝敗をつけることが目的だが、ナバホのピースメイキングでは問題が起こった原因・理由に焦点を当てている。表面だけを見ていると、同じ失敗を何度も繰り返すことになるからだ。原因・理由を正しく見極め、問題解決のための糸口を見つけることが大切。ピースメイキングセッションでは、臨機応変にセレモニーを実施し、スピリット達の助けを請うことがある。
ピースメイキングセッションでは、円を描くように座る。そうすることによって、対立を避け、人々が安心して意見を述べられる環境を作る。話し合いを続けていくうちに、当事者、参加者、ピースメイカー自身も癒されていく。大切なのは、参加者全員が意見を言える機会を設けること。
・ピースメイキングとは平和的な存在を確立するための方法であり、プロセスである。
・ネガティブなエネルギーの正体を知り、それを癒すことによって調和が生まれる。
・調和を生み出すためには、ネガティブなエネルギーが必要。だから、ネガティブなエネルギーをいたずらに怖がる必要はない。調和を生み出すプロセスの始まりなのだと思えば良い。