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  • 「ホーガン」  ナバホ情報

    ナバホの人々の伝統的な住居は、ホーガンと呼ばれている。ナバホの人々のことを知りたいと思うなら、ホーガンについて学ぶと良いだろう。なぜなら、ホーガンのしくみには、ナバホ哲学がすべて盛り込まれているからだ。私もナバホ父と出会った最初の頃に、ホーガンのしくみについて教わった。

    ホーガンは基本的に木材と土(粘土)で作られる。ホーガンで暮らしたことのある人なら誰でも、あの独特の土の匂い、暖炉で薪がパチパチと音を立てて燃える音、暖かさなどを懐かしく思い浮かべることだろう。

    ホーガンは家族が集まる場所。祖父母や両親から物語を聞き、共に食事をとり、笑い、泣き、セレモニーを受ける場所。

    ホーガンの入り口は東に向けて建てられる。 新しい日のエネルギーがホーガンいっぱいに入るようにするためだ。 ホーガンの中を歩く際は、太陽と同じ方向、つまり時計回りに歩く。

    大抵のホーガンの中には、床を張っていない。 大地の上にそのままブランケットを敷いている。つまり、ホーガンで暮らすということは、常に大地に触れることができるのだ。 ナバホの人達は、母なる大地のことをこんな風に説明してくれた。

    「私達が大地に触れることによって、私達は大地から癒しのエネルギーと愛をもらう。 大地もまた、私達から癒しのエネルギーと愛を受け取る。 ホーガンの中が不思議なほど居心地が良くて落ち着くのは、知らず知らずのうちにそのエネルギーと愛の交換がなされているからだと思う」

    ホーガンの中央には暖炉があり、まっすぐ空に向かって煙突が伸びている。 天井の部分は開口部になっており、空が直接見えるようになっている。 つまり、ホーガンの中は、父なる宇宙と母なる大地の間であり、バランスが取れた場所であると言える。

    セレモニーの際は、南側に男性、北側に女性が座る。 西側にはメディスンマンと患者が座る。


  • 「ナバホピースメイキングの7ステップ」  ナバホ情報

    ピースメイキングには7つのステップがある。

    1.準備段階としての情報を得る。

    歴史から、経験から、セレモニーでのメッセージから、神話からの教えを共有する。

    2.開会の祈りと参加者の自己紹介

    スピリット達に助けを請う。

    3.情報の開示

    当事者が、なぜピースメイキングが必要なのかという理由や、ゴールを共有する。参加者達は、自身の経験や知識を共有する。知識と経験を正しく使うことによって、参加者全員が癒される。大切なのは、知識や経験を独り占めしないこと。ピースメイキングには、みんなの力が必要だからだ。その場に集まった参加者達は全員、そこにいる必要があるからこそ、共有するものがあるからこそ、その場にいるのだということを理解する。異なる経験、知識を持つ人が集まれば、いろんな意見が出て、新しい発見ができる。

    4.問題解決の手段・方法を発展させる。

    5.問題をはっきりと認識し、再発防止のための手段・方法を話し合う。

    6.ピースメイキングで得た知識・発見を公表し、宣言する。ここでは、単なる口約束や握手を交わすだけではなく、きちんとした公的な書類に署名することによって、約束する。

    7.閉会の祈り

    祈りを通じて、各人の使命・任務を再認識する。


  • 「ナバホピースメイキング」  ナバホ情報

    ピースメイキングとは、知識を正しく使って問題を解決する理論のこと。

    その際に使用する知識とは、ナバホの概念・理論で、これはナバホ神話に基づいている。

    これらの教えの中には、自分、家族、周囲の人、世界、宇宙とのつながりを意識し、大切にすることが含まれる。

    人間はみな、ユニークな存在だ。だからこそ、存在価値があり、貴重なのだ。誰もが特別なギフトを与えられてこの世に誕生する。その自分にしかない特別なギフトを、正しい場所で正しい人達と分かち合っていかなければならない。

    ピースメイキングで大切なことは、まずすべての人を同じステージに立たせること。互いに批判したり、どの考えが正しくてどの考えが間違っていると決め付けることはできない。批判や決め付けは、とても危険なことだ。

    例えば、宗教について。キリスト教、ナバホの伝統的な教え、ネイティブアメリカンチャーチ信仰、仏教、イスラム教などなど、名称や方法は異なるが、本質的に目指しているゴールは同じなのだ。考え方、行き方が異なる。ただ、それだけのこと。ピースメイキングを通して、そのことを理解していく。

    ナバホでは K’e という言葉がある。すべてのものはつながっている (ワンネス)と言う考え方である。

    人はそれぞれ、学びや理解のタイミングが異なる。誰かを無理に導くことはできないが、知識を共有することはできる。それがピースメイキングの目的である。

    すべてのものには二面性がある。両方がちょうど良いバランスをとることが大切。ネガティブな力に出会ったときは、恐れてはいけない。その力を知り、影響力を知り、限界を知り、克服方法(バランスをとること)を知ること。そうすれば、ネガティブな力をコントロールし、制することができる。

     私達の成長過程には、黒、青、黄、白という4つの段階を経ていく。

    黒 - 物事を開始した直後には、いろんな要素によって混乱が生じる。試行錯誤を繰り返しながら、方向性を見極める。

    青 -失敗をたくさん経験する。例えば、幼い子供に「ストーブに近づくな」と注意しても、子供は実際にストーブに触って熱さ(痛さ)を経験するまでは、どうしてストーブに近づいてはいけないのかという本当の理由が分からない。一旦経験すると、失敗から学習するのでもう二度とストーブに近づいたりはしない。人生の中で、失敗を経験するのも良いことだ。失敗を客観的に観察し、分析し、次のステップのための材料として使えば良い。

    黄 - 自分1人で考えていては、どうしても主観的になりがちになる。そこで、他の人に相談して、客観的な意見を仰ぐのも一つの手になる。話し合いによって、方向性がくっきりと見えるようになることがある。

    白 - これまで積み上げてきたもの、蒔いてきた種が実り、収穫の時期を迎える。素直に心を開いて、もらう、受け取る楽しみを満喫する。

    この4つの段階の中で、時には黒と青を行ったり来たりすることがある。しかし、そういった失敗や試行錯誤を繰り返したからダメだということではなく、苦労を重ねた分、最後の収穫が大きいと考える。

    白の段階まで行けば、その4つの段階で得た経験・知識を元に、さらに上級の物事に挑戦する。そうやって、知識のレベルを上げながら、人生の輪(段階)はずっと続いていく。

    私達の祖先は、彼ら自身の人生における経験や知識を、歌や祈り、神話の中に盛り込んでくれている。迷ったときは一旦立ち止まって、祖先の残してくれた道案内を熟考してみるのも良いだろう。これらは私達の人生の旅における貴重なデータベースなのだ。

    経験は知識になる。経験は自分のことを助けてくれる。また、その経験を他人と共有することによって、他人の成長を助けてあげることもできる。

    アメリカの裁判制度は、白黒をはっきりつける、勝敗をつけることが目的だが、ナバホのピースメイキングでは問題が起こった原因・理由に焦点を当てている。表面だけを見ていると、同じ失敗を何度も繰り返すことになるからだ。原因・理由を正しく見極め、問題解決のための糸口を見つけることが大切。ピースメイキングセッションでは、臨機応変にセレモニーを実施し、スピリット達の助けを請うことがある。

    ピースメイキングセッションでは、円を描くように座る。そうすることによって、対立を避け、人々が安心して意見を述べられる環境を作る。話し合いを続けていくうちに、当事者、参加者、ピースメイカー自身も癒されていく。大切なのは、参加者全員が意見を言える機会を設けること。

    ・ピースメイキングとは平和的な存在を確立するための方法であり、プロセスである。

    ・ネガティブなエネルギーの正体を知り、それを癒すことによって調和が生まれる。

    ・調和を生み出すためには、ネガティブなエネルギーが必要。だから、ネガティブなエネルギーをいたずらに怖がる必要はない。調和を生み出すプロセスの始まりなのだと思えば良い。